八木沢木工は、水戸芸術館から徒歩5分ほどの場所にある1867年創業の木製家具専門の工場です。 工場にはNCルーター・スライドソーなどの機械や組立場・プレス場・塗装場などの作業場があり、 すべてこの工場内でワンストップ製作することができます。 冬の寒い日はだるまストーブを囲み、職人たちの朝のミーティングから始まります。 コンピュータ制御の最新の機械も使いますが、それもあくまで道具のひとつ。 長年培ってきた木工技術と職人の手仕事、それに良質な木材があるからこそ 自然美と機能美がひとつになったやさしい家具をつくれると考えています。 若手から熟練の職人まで真摯にものづくりに向き合いながら日々家具の製作をしています。
ファクトリーショップの家具に使われている技術の一部をご紹介します。
天板はW150~200mm程度の板材をフィンガージョイントという仕口によって、1枚の板材に加工しています。フィンガージョイントは、その入り組んだ形状により接合部の接着面積が通常の1.7倍程になる仕口です。接着する面積を大きくすることで、巾接(はばはぎ)を堅牢にして、接合部のズレを無くすと共にネジレの抑制効果や耐荷重強度を高めることが可能になります。指を組み合わせたような形の精密な仕口は装飾性も兼ね備えています。この加工によってテーブルの天板は風合いや強度を損なわずに、お求めやすい価格を実現しています。
曲面部材は、木材の可塑性という特性を利用して1~3mm厚でスライスしたヒノキ材を積層成型加工することで、無垢材と同等の質感を保ちながら優雅な曲線を有した強度ある曲面部材を作り出しています。
垂直方向へ延びる椅子の脚と水平方向へ向かう側面の横木(側台輪)を継ぐ仕口は椅子の中で一番負荷のかかる部位です。 この部位を堅牢にするために、広い接着面積を実現する【2枚枘組継(ほぞくみつぎ)】と一度接合すると抜けなくなる【くさび枘組継(ほぞくみつぎ)】をミックスした【2枚くさび枘組継(ほぞくみつぎ)】を用い、さらに緩みを防止するダボ組継(くみつぎ)を施します。 伝統的な木工技法に独自の工夫を加えた、三方向からの応力に強い堅牢な仕口を実現しています。
家具の把手は、彫込加工を施してあります。 ノイズとならないようなシンプルな把手ですが、あらかじめ木肌の違う木材を埋め込み、彫込を施したときにヒノキと違った木肌が現れ、味わいのある表情がうまれます。
特殊な表面加工により、柔らかい夏目部分を落として、美しい冬目を浮かび上がらせる技法です。 木目の凹凸が鮮やかに浮かび上がり、無垢材ならではのナチュラルな質感と心地よい触感を楽しむことができます。 また、固い冬目が凸面になることで無垢材にはつきものの使用痕を軽減する効果もあります。
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